「雪」


「……ん?」


「明日さ、大事な話があるんだ」


大事な話?


ちょっと怖い。


「今日じゃだめなの?」


「うん。雪が帰ったあとに詳しく決めるから」


「そっか…」


葵があまりにも辛そうな顔で言うから、怖いじゃん。


不安を取り除いてあげたい。


ベッドの上に無造作に置かれている葵の手。


葵の方は向かずに、無言でその手に触れた。


大きい。


冷たい。


少し震えてる。


葵は何も言わずに私の手を握った。