「あの、さ」


「ん?」


「美月ちゃんから聞いちゃった」


「あー……。うん」


それだけで葵は察したみたい。


なんとも言えない空気感がただよう。


とてつもなく居ずらい。


「ごめんね、葵」


「なにが?」


「昨日、本当は2人のこと見ちゃってて、美月ちゃんが泣いてるのとか、抱き合ってるのも見ちゃって……」


「付き合ってると思った?」


「うん。……振っちゃったんだね」


「……」


再び沈黙。


言わない方が良かったかな?


だよねー……。


あんまいい話じゃないもんね。


振ったほうだからって、傷ついてないわけじゃないだろうし。