【月島 颯汰】



「ねぇ。陽は?」

「何で俺に?」

「ツッキーなら知ってるかなって」



終業式、愛美ちゃんに捕まった。



「陽さ、ここ3日も連絡ないし。どうしたんだろう」

「何も聞いてねぇの?」

「そうなの!もう、どうしよう」

「北海道」

「へ?」

「北海道に旅行に行った」

「なっんだぁ!やっぱ知ってんじゃん!」



愛美ちゃんは少しいや、かなり人馴れした人だ。
俺より低い体を背伸びして、肩に手を置く。


それを肩を下げて避ける。




「あ!やっぱツッキーは少しも気が緩まんねぇ」

「なんだよ」

「陽が戻ってきたらちゃんと気持ち伝えないとだよ?」

「あ?」

「頑張っ!じゃあね!ツッキー!良いお年を」



深くお辞儀して、スキップしながら風のように去っていく。





「なんなんだ。あいつ」