「いらっしゃいませー。」 お客さんが店内に入るたび 私は声を出して言う。 ふっと時計を見るとあと30分で 仕事が終わる。 「あと少しだー…」 そう凍えてつぶやくと 隣にいた先輩の 山口司 ヤマグチツカサ が 「櫻井さん。声に出てますよ」 と、笑いながら私を見て言う。 「すいません…」 私がそう言うと、山口先輩は、接客に ついた。