今日もいつものように坪内さんを起こしに行く。
相変わらず大爆睡だ。

名前を呼んでゆさゆさすると、これまたいつものように腕を引っ張られる。

「うわっ!」

今日は初めてベッドへ倒れこんでしまった。
しまった、手のつき方が甘かったか。

坪内さんは私を引き寄せると、抱き枕のようにぎゅっと抱きしめた。
意外と強い力で逃れられない。
坪内さんの温もりが全身に広がってくる。

「ね、寝惚けすぎです!坪内さん!」

胸をぐっと押しやると、急に坪内さんが覆い被さるように私を覗きこんできた。
私の目の前に坪内さんの綺麗な顔がある。

これは…もしや押し倒されてる状態なのでは?

坪内さんと目が合って、彼の目はもう全然寝ぼけてなんていない真剣な目だったので、私は身構えてしまう。
心臓が跳ね上がりそうなくらいドキドキして、鼓動が聞こえてしまいそうだ。

なになになに???
こ、これは、まさかのキ、キスされるのでは。

近づいてくる顔に、思わず目を閉じた。