坪内さんが私に興味とかありえないでしょ?
あ、変なやつだとか、そういう感じでの興味ならもしかして持たれてるかも?
そう言おうかと思ったけど、奈穂子の目がそれを許さない。
「…私は恋愛に興味ないよ」
運ばれてきた唐揚げに箸を伸ばしつつ、私は素っ気なく答えた。
とたんに、奈穂子の眉間にシワが寄る。
「まだ引きずってるの?」
「引きずってるっていうか、トラウマだよね」
そう、私は元彼の浮気現場を目撃したあの日、恋愛なんて懲り懲りだと強く思ったんだ。
「日菜子には幸せになってほしいんだけど」
「いいの、私は一人で生きてくのよ。それが幸せ」
奈穂子が食い付いてくるので、私は許可も得ず勝手に唐揚げにレモンを搾る。奈穂子は対抗するように、勝手にマヨネーズをかけた。
「強がっちゃって。絶対王子様は日菜子に気があるよ」
「ないよ」
「上司だからってそんな毎回ランチ行かないし、奢ってくれようとしないよ」
「それは坪内さんが王子様だからでしょ?誰にでもしてるんだよ」
「私はされたことないよ」
「それは、奈穂子に興味ないんじゃない?」
「お、言ったな!」
「違う違う。奈穂子は彼氏がいるでしょー」
押し問答が続いたけれど、最後は笑って誤魔化した。
ほんとにそうならやめてほしい。優しさに勘違いしてしまうから。その優しさが心地よくなってしまう。人を好きになりたくないもん。波風たてずに穏やかに過ごしたいんだよ、私は。
あ、変なやつだとか、そういう感じでの興味ならもしかして持たれてるかも?
そう言おうかと思ったけど、奈穂子の目がそれを許さない。
「…私は恋愛に興味ないよ」
運ばれてきた唐揚げに箸を伸ばしつつ、私は素っ気なく答えた。
とたんに、奈穂子の眉間にシワが寄る。
「まだ引きずってるの?」
「引きずってるっていうか、トラウマだよね」
そう、私は元彼の浮気現場を目撃したあの日、恋愛なんて懲り懲りだと強く思ったんだ。
「日菜子には幸せになってほしいんだけど」
「いいの、私は一人で生きてくのよ。それが幸せ」
奈穂子が食い付いてくるので、私は許可も得ず勝手に唐揚げにレモンを搾る。奈穂子は対抗するように、勝手にマヨネーズをかけた。
「強がっちゃって。絶対王子様は日菜子に気があるよ」
「ないよ」
「上司だからってそんな毎回ランチ行かないし、奢ってくれようとしないよ」
「それは坪内さんが王子様だからでしょ?誰にでもしてるんだよ」
「私はされたことないよ」
「それは、奈穂子に興味ないんじゃない?」
「お、言ったな!」
「違う違う。奈穂子は彼氏がいるでしょー」
押し問答が続いたけれど、最後は笑って誤魔化した。
ほんとにそうならやめてほしい。優しさに勘違いしてしまうから。その優しさが心地よくなってしまう。人を好きになりたくないもん。波風たてずに穏やかに過ごしたいんだよ、私は。



