「それでー…心配だったの。先生に叱られないかって」


あぁ、やっぱり武藤くんの威圧感に押されちゃう。


しょぼくれていると、武藤くんがフッと鼻で笑った。


「あんなのサイテーの庇い方だな。全然嬉しくねぇ」


「思いつかなくて…」


「バレて自分が怒られるとか思わなかった?ホントに田中はバカだよな」


あー…そうなの、あたしってバカ…。


あれ、今の口調ちょっと優しかった。


「田中がやるとなんか危なっかしい。バレなくてよかったな」


危なっかしい?


それ小松くんも言ってた。


あたしってそうなのか…。


「武藤くん…あたしの心配してくれるの!?」


「ちょっとだけな。それに寝ててもポイント押さえてるから。起きてるのに授業聞いてないお前よりマシ」


…へっ?


何気にバカにされてない!?