「できそうにないなぁ」


「そもそもなんで武藤のこと好きになった？ゆずちゃんに接触したきっかけすら想像つかねー」


「中学のときにね、好きな人がいたの。その人チャラかったけどあたしは気づいてなくて…色々傷つきそうな場面で武藤くんがかばってくれたというか…まあ、そんな感じ」


まとめると、そうだよね？


あの２日間だけの出来事だけど、それだけで武藤くんの優しさに気づくことができた。


友達でもなく、クラスも違うあたしを…気遣ってくれた。


武藤くんからしたら自然なことなのかもしれないけど、あたしにとってはこれ以上ないってぐらい嬉しかったんだもん。


「へー、ますます理解できないな。武藤が他人の恋愛に首突っ込むとかありえねーもん。よっぽど、ゆずちゃんのことほっとけなかったんだな」


「どうなのかな…それなら嬉しいけど」