【完】武藤くんって甘くない

「無理してないよ、山田くんのことはなんとも…」



「いいのいいの。本当にゆずは優しいんだから」



ギューってされるけど、慰めにもなんにもならない。



あたしはただ、メガネくんの名前を知りたいだけなのに。



「ねぇ、昨日って部屋に誰かこなかった?そう、警報が鳴った前後に」



「えー、どうだったかな。警報鳴って焦っちゃって、布団かぶってたのあたし。山田たち来てるのバレなくて良かったー」



そうなんだ…。



とりあえず、山田くんの誤解はまた解くとして。



早くメガネくんの名前を知りたいの。



残るは…瀬名くんだ。



顔を見てるし、誰だか知ってるはず。



けど朝食会場にはもういないし、気づけばフリーでまわる時間になっていた。



京都は観光する場所がたくさんあって、ここで瀬名くんを探すのは一苦労。



…帰りのバスまで待とうかな。