【完】武藤くんって甘くない

メガネの男の子が廊下に出て行った後も、胸の高鳴りはおさまらない。



やばい…これは、恋に落ちたかもしれない!



再び閉まった扉に耳をあて、様子をうかがう。



静かだなー…何も聞こえない。



どのタイミングで出て行けばいい?



何度も動きそうになったけど、グッと我慢した。


騒ぎがおさまったら…って言ってたもんね。



すると突然、けたたましい音が辺りに鳴り響いた。



ジリリリリリリ‼︎



ええっ、何⁉︎



これって非常ベルの音だよね!



まさか、火事⁉︎



泣きそうになっていると、廊下でザワザワと生徒たちの声が聞こえ始めた。



「何の音⁉︎誰か先生呼んで来てよ!」



「先生ここにいるよ‼︎すぐに調べに行くって」



一気に騒がしくなり、あたしはひとり静かに陰にひそんでいた。


「怖いよね、どっか燃えてたりして」