「もーいーけど」


ため息をついている武藤くんの顎を撫でる。



「痛かったよね?本当にごめんなさい」



「はー。なんでそんなにバカなんだよ」



うっ…やっぱりあたしバカな子だよね。



武藤くんの嫌いな、バカっぽい女。



シュンとしていると、ほっぺを両手で挟まれる。



「お前といると、疲れる」


「ごめんなさい…」


「なのに全然目が離せない」


「え…」


「今もさ、怒られてるのに…なんでそんなに甘えた顔になってるんだよ」


あたし、そんな顔してるのかな!?


「そうかなぁ…」


「俺のこと好きって顔に出しすぎ」


わあっ…。


そうなんだね。


「だって本当に大好きだよ」


「…………」


言葉に詰まったみたいで、黙り込んでしまった。