【完】武藤くんって甘くない

人混みの中を歩いていると、今からパレードが始まるみたいで辺りが一層騒がしくなった。



「武藤くん、夢の世界だよ!」



腕をクイクイして話しかけるものの、パレードの音が大きすぎて、あたしの声は届いてないみたい。



武藤くんは首を傾げている。



肩に手を置きそっと背伸びをして、耳の側でもう一度。



「あたしたち、まるで夢の世界に来たみたいだね」


すると、うんうんと頷いている。



そして同じように、あたしの耳元に顔を寄せる。



ふふっ、くすぐったいよ。



なんだかイチャイチャして、カップルっぽい。



えへへー。