【完】武藤くんって甘くない

「来いよ」



武藤くんがあたしを後ろから引っ張り、歩き出す。


「武藤くん、今日はパークの外側から楽しもうよ。ここでも十分綺麗だし」



「チケット持ってる。これ使おう」



チケットを持ってる!?



準備が良すぎない!?



「え…でも」



「誕生日の前倒しな」



「ええっ、申し訳ないよ…」



「いいから。親の仕事の関係で、チケットがたまに手に入るんだ。だから…気にするなよな」



そうなの!?



素敵過ぎるし羨ましい。



「本当にいいの?」



「付き合ってからどこも行けてないのもあるけど、田中と行きたかったから…」



むっ、武藤くん!!



嬉しすぎて、抱きついてしまった。



「ありがとう…すっごく嬉しい」


さっきは、恥ずかしいからやめろって言われたけど、今度は言われなかった。