【完】武藤くんって甘くない

気づいたのか、武藤くんがこっちを向いた。


「このぐらい、いいよね?」


断られる前に予防線を張った。


周りだってそうだし、恥ずかしいだろとか言わせないんだから。


「いいよ」


わっ…嬉しい。


これ、今日一番恋人っぽい。


幸せ…。


束の間の幸せ、船は思ったよりすぐテーマパークに到着した。


早過ぎない!?


船を降りると少し歩いた場所にゲートがある。


ここまでの交通費や船代も払ってもらったし、ここはあたしが。


ゲートのチケット売り場に向かい、「学生2枚下さい」と武藤くんより先に言ったものの、今日は手持ちがないことに気づいた。


しまったー!



普通に学校帰りだし、お金がない。