【完】武藤くんって甘くない

「むっ…武藤くん。大好き!」



抱きつこうとしたら、手で押さえられた。



「わかったから。恥ずかしいからやめろ」



チケット売り場の人があたしたちを見て笑っている。


ああっ、あたしってば。


武藤くんを困らせちゃダメなのに。


大人しく武藤くんのあとをついて、船に乗った。


テーマパークに近づくにつれ、ライトアップの光が水面にキラキラと揺れてとても綺麗。


同じように船に乗っているのは数組のカップル。


女の子はうっとりしながら、彼氏に身を委ねている。


これはあたしも、武藤くんに寄りかかるしかない。


船に乗ったタイミングで、手を繋ぐのをやめたから、今は近くに立っているだけ。


そっと、武藤くんに体重を預ける…。