【完】武藤くんって甘くない

改札を出ると、特になにもない寂れた場所。



「ここで合ってる?」



思わず聞いてしまう。



そうしたら武藤くんが、合ってるよって笑うからなんだかホッとした。


なにもない場所だけど、武藤くんと一緒にいられるだけで幸せ。


ふたりっきりで話すためにここに来たのかな。


近くにあったベンチに座ろうとすると、腕を引っ張られた。


「もう少し歩ける?あっち」


目的地はまだ別にあるの?


武藤くんが歩き始めるから、あたしも急いでついていく。


手はずっと繋いだまま…。



離すタイミングもつかめずに、困ったりしてないかな?


武藤くんをじぃっと見ていると目が合って、途端に胸がきゅうっとなる。



だって武藤くんが笑ってる…。