【完】武藤くんって甘くない

「武藤くん…どこに行く?」



「いや、実はあんま考えてなくて…」



「とりあえず駅に向かう?」



「そうだな…」



緊張し過ぎて会話が弾まない。



この状況は一体…。



くっついていられるのは嬉しいけど、意識している分、純粋に会話を楽しめない。



息遣いも聞かれてしまいそうな距離感に、緊張感はMAX!



「10分経ったな」



時間通り、律儀に腕をするりと外す武藤くん。



はぁっ…なんかホッとした。



やっぱりあたしたちには、まだ早かったのかも。



武藤くんの顔を見ながら、自然体で話している時が一番楽しいな。



「えへへ」



「なに笑ってんだよ」



「別に…」



武藤くんに頭を小突かれ、もうそれだけで嬉しくなってくる。