【完】武藤くんって甘くない

「うん」



「あー、そろそろ帰る。すっかり暗くなったな」



腕時計を確認しながら、武藤くんが辺りを見回す。



「そうだね…また明日」



「…え、なに」



思わず武藤くんの制服の裾を引っ張る。



「もう少し話したいよ」



「…………」



戸惑っている武藤くんに無理を言うわけにはいかない。



パッと手を離し後ろ手にする。



ガツガツいかないってさっき約束したばっかりなのに、あたしってば!



「う、ううん。なんでもない…」



武藤くんは溜まりかねたように吹いている。



ああ…。



今、あたしが武藤くんを我慢したこと、完全にバレてるよね。



「そういうことされると帰れなくなるじゃん。今日、泊めてくれる?」



ええっ!!