「ふーっ…」


目の前の武藤くんが盛大なため息をついた。


しまった!


また武藤くんにため息をつかせてしまったよ。


もうこれ以上ないってぐらい嫌われたはず。


あたしって本当にバカ。


「武藤くん…ごめんね?」


いたたまれなくなってカバンを手に教室を飛び出した。


あたしのバカ!


もう武藤くんに合わせる顔がないよ。


絶対嫌われた…。


ううん、違うか。


もうとっくに嫌われてるし、明日からは口も聞いてくれないかも。


今日はいつもよりいい感じだったのにね。


一緒に帰ろうとか、おごってくれるとか…。


うわあぁ、もうこんなの一生ないよ。


あたしのバカぁ。


どうしてあの場で告白しちゃったんだろう。