【完】武藤くんって甘くない

「立て…ないみたい」



「掴まれば?」



もしかして怒ってる?



なんだか素っ気ない態度だけど、さっと手を差し出してくれたからその手に掴まった。



これが瀬名くんだったら…なんて思わず考えてしまう。



ううん、ダメダメ。



他の子にもデートしようって言ってるらしいし、もう…諦めなきゃ。



グイッと引っ張られて、なんとか立ち上がることができた。



「ありがとう」



「いや、俺が驚かせたみたいだし…」



「そんなことないの、あたしビビリだから。ちょっとのことでも驚き過ぎちゃうんだよねー」



「へぇ。ビビリなのに消灯時間過ぎて、抜け出し?」



「それはっ」



「ゆず、どうした?」



ドキッ。



この声は…。