大人の階段を駆けあがる



三毛猫は何故か私の足にすり寄ってきた。食べ物をおねだりしてるんだろうけど、残念ながらなにも持ってない。

スリスリとされて、くすぐったかったから無視してそのまま歩き進めたけど、私の行く手を遮るように猫は行ったり来たり。


「もう、間違って蹴っちゃうでしょ」

仕方なく腰を屈めて、注意のつもりで頭を触った。


別に撫でたわけでもないのに嬉しそうに猫はゴロゴロと喉を鳴らす。

こうやって人から触ってもらえてるからこの猫の毛並みはこんなにふわふわなんだろう。


「ねえ、アンタって恋愛したことある?」

気づくと私は猫にそんなバカなことを聞いていた。


「ニャアア」

返事は返ってきた。でも猫の言葉は理解できないからどっちの意味かは分からない。