うん。大丈夫だ。田崎となら。


私はワガママで性格も難ありで田崎を振り回してしまうかもしれないけど、田崎のことが好きだという気持ちは変わらない。

そういう愛しい想いを、これからひとつずつ伝えていこう。


「ねえ、田崎。私の取り扱い説明書なんて無視していいからひとつだけ約束して」

「なに?」


「田崎はずっと田崎のままでいてね」


私の理想なんかに応えなくていい。

私をお姫さま扱いしなくていい。

田崎には誰よりも優しい人でいてほしい。



「うん。約束するよ」


きっと私たちが思うよりもずっとこの時間は一瞬で短い。

田崎に身長が抜かれて、視線も見上げるようになって、今日の日のことを懐かしく思う未来がくるかもしれない。


そんな目まぐるしく進んでいくスピードに置いていかれないように、きみとゆっくりと大人になっていこうと思う。




END