大人の階段を駆けあがる




すずめちゃん、すずめちゃんって、しつこいぐらい慕ってきて。どんなに冷たくしても、どんなに性格の悪さを見せても田崎は私の隣にいてくれた。


私はきっと人をバカにしてきた分、これからバチが当たる。

もしかしたら、悪いことばかりが起こるかもしれない。


でも、田崎だけは失いたくない。

絶対になくしたくない。なくせない。



「お願いだから田崎にはなにもしないで……。お願いだから、帰ってください」

私は謝罪の意味も込めて、卓也に頭を下げた。


卓也が許してくれるまで、頭を上げるつもりはなかった。そんな私を見て、卓也は呆れた声を出す。


「すずめ、お前ダサい女になったな」

「………」

「なんか一気に冷めたわ。行こうぜ。こんなつまんない女を相手にしてる時間がもったいねえわ」


そう言って、卓也たちは車に乗り込んでこの場を去っていった。姿が見えなくなって肩の力が抜けた私は地面に座りこむ。


「す、すずめちゃん、大丈夫?」

顔を腫らした田崎が私の身体を支えた。


「うん。アンタこそ平気?」

「俺は大丈夫だよ。無茶しないでよ。あのまま連れて行かれちゃったら俺……」

田崎は私の身体を抱きしめた。


その力は思った以上に強くて、すごくすごく温かかった。