大人の階段を駆けあがる




「大人に逆らうとこうなるんだよ?分かったらさっさと帰りな」

「嫌です。すずめちゃんは連れていきます」

「きみバカなの?こんな女をかばったってすぐ裏切られるよ」

「すずめちゃんはそんな子じゃないです」

「……ムカつくな、その目」


再び卓也が拳を振り下ろした。

卓也の友達たちは薄ら笑いを浮かべるだけで止めようとしない。まるでこの状況を楽しんでいるみたいに。


こんな展開になるはずじゃなかった。

私が悪いのに、田崎はなにもしてないのに巻き込んでしまった。


「やめてよ!殴るなら私にして!」

卓也の手を掴んだけど、すぐに払われてしまった。


「お前はあとで遊んでやるから退いてろ」

「嫌だ。田崎にひどいことしないで」

「ひどいこと?コイツが俺に喧嘩売ってきたんだろうが」


バコッと鈍い音とともに、田崎の顔が腫れていく。歯止めの効かない卓也に、私は持っていたカバンを投げつけた。


「やめてってば……っ!!」