私のムスッとした表情に気づいた卓也はわざとらしく声を張り上げた。
「俺、実はお前と同じ学校の人と連絡取ってるんだけど、性格きつすぎて学校ではいつもひとりだって言ってたよ。女子はみんな嫌ってるし、男子はヤりたいだけで近づいてるって」
「………」
「お前、本当に可愛いことしか良いところないもんな。付き合ってた時もワガママで、男が金出すのは当たり前、送り迎えも当たり前、荷物持つのも当たり前って、俺のことも召し使いみたいに思ってただろ?」
……否定はしない。
好きじゃなかったから、別に好かれたいと思ってなかったから、全部自分を優先的に考えていたことは事実。
だから、卓也が不満に思うのも無理はない。
「お前がちやほやされるのなんて今だけだよ。どうせいつかは需要がなくなるんだし、そうなる前に遊んでやるよ」
卓也はニヤニヤしながら、私の手を引っ張った。
路肩に停めてある黒い車は卓也のもので、どうやら私を乗せようとしてるみたいだ。



