大人の階段を駆けあがる




「ねえ、なんかしんみりした顔してるけど、せっかくだしこれからどっか行こうよ。俺らなんでも奢るし」

そう言ったのは卓也の友達だった。


「それにしてもこんな美少女と付き合えるなんて人生交換してほしいわー。卓也と別れたなら俺と付き合わない?」と、もうひとりの友達も続く。

なんだか面倒くさい展開になってきたと困っていると、卓也が間に入ってくれた。


「あームリムリ。すずめがお前らなんて相手にするわけねえよ」

「な?」と、同意を求められたけど、なんて答えたらいいのか分からなくて黙ってしまった。すると、おもむろに卓也は私の肩に手を置いた。


「だってコイツ超理想高いもん。それに顔はこんなに可愛くても中身は性悪だよ。みんな言ってるもん。いいのは容姿だけだって」

まるでスイッチが入ったようにペラペラと卓也の軽い口が動く。


性悪?いいのは容姿だけ?

そんなの私が一番よく知ってる。


でも、卓也だって過去に悪さをしたって武勇伝みたいに語ってたし、人のことをあれこれ言える立場じゃない人に言われるのが一番ムカつく。