大人の階段を駆けあがる




いつもなら「いちいち迎えに来ないで」と、突っぱねる私も自然と荷物をまとめて帰る準備をしていた。

すると、そこへクラスメイトの女子たちが田崎に寄っていく。



「なんで今まで髪の毛切らなかったの?断然そっちのほうがいいよ」

「ってか田崎って誕生日いつ?私、占い得意だからやってあげるよ」

手のひらを返したように態度を変える女子たち。


本当に気にくわない。今まで田崎のことなんて見向きもしないで笑ってたくせに。

田崎にキモいとかうざいとか言ってたけど、ブサイクじゃないことぐらい私はとっくに気づいてた。


……って、なに張り合ってんだろう、私。

バカみたい。こんなことで不機嫌になってしまうなんて。


しばらく田崎のことを待っていたけど、女子たちの長話が終わらなそうだったから、私はそのままカバンを持って教室を出た。