大人の階段を駆けあがる




そんな田崎が髪を切ってきたのは、週明けの月曜日だった。


「おはよう、すずめちゃん」

「え、あ、うん」


あんなにもっさりとした髪の毛はとてもスッキリとしていて、一瞬誰だか分からなかったぐらい。

私は前髪を切れと言ったはずなのに、こんなにもさっぱりしてくるとは思わなかった。

そしてビックリしたことがもうひとつ。


「えー田崎ってそんな顔してたの?」
「勝手にブサイクだと思ってたけど可愛いじゃん」


なぜか女子の評判がいい。

……田崎のくせに気にくわない。


それから学校の授業を終えて放課後になった。約束してるわけじゃないのに「すずめちゃん、一緒に帰ろう」と田崎は私のクラスに迎えにくる。

いじめられていた時はあんなに影が薄かったのに、髪の毛を切ったことで田崎は少し変わった。

別に元々ネクラってわけではなかったんだろうけど、表情が一気に明るくなった気がする。