大人の階段を駆けあがる








そして週末。今日は1日ファッション雑誌を見ながら家で過ごそうと思ってたのにお母さんに買い物を頼まれてしまった。

こういう面倒ごとは必ず3つ上の姉に押し付けるのが日課になっていたけど部屋を訪ねてもいなかった。


……もう、仕方ないな。


例え近所でも適当な部屋着では外に出ない主義だから、私は化粧をして、可愛いボルドー色のサロペットスカートに着替えた。


スーパーまでは徒歩で5分ほどの距離。ぶつぶつと文句を言いながら外に出てすぐ、聞き覚えのある声が耳に入ってきた。



「三宅さーん、三宅さんどこ?」

それは紛れもなく、部屋にいなかった私のお姉ちゃんだった。


「ちょっと、やだ。なにしてんの?」

他人の素振りをしたかったけど、あまりに大きな声で誰かを呼んでるから妹として止めなくては、と思った。


「あれ、すずめ。どうしたの?」

「どうしたのじゃないよ。恥ずかしいからやめてよ」


お姉ちゃんは私とは見逆で見た目ははっきり言うと地味。

いつの時代の髪型?と聞きたくなるぐらいずっと黒髪のおさげだし、私服のセンスもあまりない。


高校の制服だってそこそこ可愛いのに着崩すこともしないで、まるで生徒たちのお手本のようにしっかりと着ている。

おまけに高1なのに化粧もしないし、スキンケアも適当だし、私の美意識を分けてあげたいくらい姉は無頓着だ。