いつも「一緒に帰ろう」と言ってくれた田崎がいないから私は帰り道もひとりだった。
ひとりが好きだったし、寂しいと思ったこともないし、田崎がペラペラ喋るたびにうるさいと思っていたのに、誰とも話さない帰り道は長く感じる。
これが普通だったはずなのに。
鬱陶しく思っていたはずなのに……。
ぶつぶつと、らしくない独り言を言いながら歩いていると、通りかかった公園に見覚えがある姿を発見した。
普段は素通りしてる場所だけど、あんなにぽつんとベンチに座っていたらイヤでも目に入る。
一瞬止まりかけた足を、どっちの方向に進めるべきか私は悩んでいた。
今日は家に帰ってからやることがいっぱいある。
昨日録画したドラマも見たいし、お父さんが出張先で買ってきたマスクメロンのゼリーも食べたいし、ネットで買った新しい洋服ももうすぐ届くはず。
私は全然暇じゃないし、予定を乱されるのだって大嫌いなのに、なぜか足は自宅ではなく公園内へと入っていく。
「ちょっと」
私はベンチに座っていた田崎に声をかけた。



