大人の階段を駆けあがる







それから数日が過ぎた。

「月岡さん、おはよう」
「今日も可愛いね」

私が歩くたびに声をかけてくる男子たち。

「本当に生意気だよね」
「視界に入るだけでイライラする」

私のことを妬んでいる女子たちは今日も私の悪口ばかり。


変わらない日常。変化のない学校生活。そんな中で、うざったいぐらい話しかけてきたアイツは最近すごく静かだった。


「あ……」

教室移動の廊下で、田崎と目が合った。


いつもならすぐにしっぽを振って寄ってくるのに、まるで私を避けるようにして田崎は教室へと入ってしまった。

……なんなの。

「すずめちゃん、すずめちゃん」って、馴れ馴れしくしてたくせに。


でも、まあ、別にいい。アイツには迷惑してたし、このまましつこくされたら厄介だなって思ってたし。だからアイツが寄ってこなくてせいせいする。


なのに、なんでこんなに私、胸をモヤモヤさせてるんだろうか。