交番に着いてすぐに女の子のお母さんは血相を変えて駆け込んできた。田崎の言うとおり、闇雲に探していたら行き違いになっていたかもしれない。
親子の再会に安心しつつ。女の子のお母さんはお礼がしたいと申し出たけど田崎は丁寧に断り、別れ際には「頑張ったね」と、女の子に飴をあげていた。
そして私たちは帰り道へと戻ってきて、ゆっくりとしたスピードで歩いていた。
「ねえ、アンタって妹とかいるの?」
「いないよ。なんで?」
「別になんとなく。子どもに慣れてる気がしたから」
田崎がいてくれて良かった、なんて思いたくないけど、今日は田崎がいてくれて良かったと思ってる。
私ひとりだったら女の子の不安を煽るだけだったと思うから。
「そうかな?でも昔から子どもは好きだよ」
田崎はそう言ってニコリと笑った。
……ふーん。そんな顔できるんだ。
笑顔が可愛くて、鬱陶しそうに伸びている前髪が勿体ないなんて思ってる私はどうかしてる。
「田崎ってさ、優しすぎるって言われない?」
「え?」
「いるじゃん。自分のことより人のために動いちゃう人」
私は泣きじゃくる女の子を見て戸惑うだけだったのに、駆け寄った田崎に迷いはなかった。
「うーん、分かんないけど……。自分のことはあんまり優先的に考えたことはないよ」
だったら私は田崎とは真逆だ。
だって私は自分が一番だもん。自分が大切というより、自分以外の人を優先したいと思ったことがない。



