「それともさっきの人が言うように年下だから恋人役にさえ利用できない?」

 嘲るよう言った蒼葉くんの台詞は私の心を抉るようだった。

 蒼葉くんが言うように、私が元彼に見せつける恋人として思い描いていたのは年上の落ち着いた男性だ。
 包容力があって一緒にいるだけで安心できるような人。

 間違っても誰かに紹介する時に年齢や勤め先を偽ったりして焦らされたりしない。
 ましてや一緒にいて手を握られただけでこんなに落ち着かない気持ちにもならない。

 けれど………。

「助かったのは本当。
 だからって利用するってなんだか嫌だな。
 お互いにウィンウィンの関係じゃなきゃ。」

「美希さん………。」