バイトの帰り道。
 バイト先でも「最近、顔を見せないな」と小言を言われた。

 来れる時に顔を出せばいい。
 それが気に入っていたバイト先だっただけに色んなことが重なって気が滅入る。

 そんな時に限って、通りがかったお洒落なレストランで美希さんが誰かと食事をしているのが視界に入った。

 何もわざわざガラス張りのレストランの道路側の席で食事してなくてもいいのに。
 美希さんも美希さんだし、その横を通りがかるなんてなんの因果かと自分の星回りを呪った。

 男の方の顔は見えない。
 けれど少し困ったように笑う美希さんを見ていられなくて体は勝手に動いていた。

 その場から離れレストランを後にした。