「じゃ……俺が美希さんのアパートに入り浸るのはいいんですか?」

 今にもついてきそうな蒼葉くんに苦笑する。

「悪さした張本人が何を言ってるのよ。」

 自分も軽率だったことは棚に上げてお説教じみたことを口にした。

「それは……そうですけど。」

「大学生って言ってもそんなに暇じゃないでしょ?
 テニス、何曜日ならコーチ頼めるのかしら。」

 しょんぼり俯かせていた顔を上げた蒼葉くんはやっぱり可愛い男の子の顔をしていた。

「いつでも!
 明日も待ってます。
 同じくらいの時間に!」