「もしかして……中原さんのお姉さん?」

「え?……望美を知ってるの?」

 彼は苦笑いをして素直に白状した。

「中原さんって名字を思い出すのも苦心したくらいで……その子が望美って名前かどうかまでは………。」

 そうか。そうよね。
 まだサークルに入ったばかり。
 望美の名前は知らなくて当然なのかも。

「あの有名国立大学の学生さん?」

「えぇ。まぁ一応は。」

 鼻にかけないところもいいじゃない。
 なかなかいい子だ。