呑気に笑う美希さんが恨めしかった。

 すぐ隣で食器を洗ってくれる美希さんとは立つと身長差のせいで見下ろす形になって。
 ちょうど視界に入るうなじが色っぽくて、暴走しそうな気持ちを抑えているのに。

 襲われた男の家にほいほいついて来る美希さんが心配になる。
 俺がすごく悪い奴だったらどうするんだよ。

 ちょっとからかうだけで赤くなって、触れれば体をビクつかせるのに俺に体を委ねて………。

 勘違いしそうになる。

 俺のこと少しはいいと思ってくれて、俺とそういうことしてもいいって思ってるのかって。
 けれど……きっとそれは俺の思い上がりで最初のはやっぱり酔った勢いってやつで。

 シラフの時には逃げ出すくらいに嫌だったんだ。
 さすがに昨日、迫った時に逃げられたのは堪えていた。