「逃げたんですかー!?」

 次の日、ニマニマした柚とまたもやランチに来ていた。
 落ちている気分と共にサッパリしたいからとお蕎麦屋さんに来た。

 二人で盛りそばを頼む。

 出てくるのは早いし美味しいし、言うことないんだけど、そこまでガヤガヤしていない店内は柚と今日話す内容には向いていなかった。

「シー。声をもっと落として。」

 私がそう言うとわざとらしく口元に手を添えて小声で注意された。

「だって何の為に会いに行ったんですか。」

「ナニって……テニスする為。」

「違うでしょ!
 二人の関係をハッキリさせる為でしょ?」

 そうだったっけ?
 柚はそうかもしれないけど。