頭が痛かった。
 昨日は飲み過ぎた。

 その上この惨劇はどうしてくれよう。

 寝ている私の頭を撫でて彼が微笑んでいる。

 確か……蒼葉くん。
 すごい。覚えてた。

 ってそんなことはどうでもよくて!

 体を勢いよく起こすと頭がガンガンして目眩がした。

「急に起き上がらない方がいいよ。
 ま、俺はいい眺めだけど。」

 そう言われて視線の先を確認する。
「ギャー!」と可愛くない声を上げ布団を手繰り寄せた。

 最近暑いからって夏用の羽布団にしたばかり。
 薄い羽布団じゃ心許ない。

 蒼葉くんの方を恐る恐る伺ってまた叫ぶことになった。

「ちょ、なんでそんな格好!
 なんか着なさいよ!!」

「布団持ってちゃうんだもん。」

 ギャーギャー騒いでいると枕を抱えてくれた。

 まぁ……それでヨシとしよう。
 帰ったらそれ絶対に洗濯してやる。