まどろんだ日差しの中で蒼が私を見つめていた。

「おはよ。」

「ん……おはよ。」

 すごく幸せな時間。

「誕生日、過ぎちゃったけど一番欲しいプレゼントをもらえるか聞いてもいい?」

「……それはどういう……………。」

「これ最後なんだ。」

 小さな箱から取り出した『アレ』を軽くヒラヒラさせて私に見せた。

「嘘……だって何個………。」

 何個入ってたのか。
 そんな確認をすることが恥ずかしいくらい昨日は………。

「初日は全部無くなっちゃったって知ってた?
 今回はわざと1つ残すように我慢した。」

「我慢って………。」

 今日の蒼は寝て起きても意地悪だ。

「美希さん……。」

 蒼は甘い顔で囁いた。

「これを最後にしない?」

「え……最後って………。」

 甘い顔と内容が私の中で一致しない。

 意地悪を言われてるって分かるのに涙が出そうになって堪えた震える声で聞いた。

「もうお別れってこと?」