蒼は何を言っても私を甘やかすような言葉をかける。
 私は私で、素直じゃない性格が顔を出して引くに引けなかった。

 だって………。
 蒼の言うことを全部信じるとするのなら、私のことがすごく好きで好きで堪らないってことで……。

 だから素直じゃない自分と負けず嫌いな自分が抑えられなくて宣戦布告していた。

「じゃコーチ卒業試験とこれからも付き合いを続けるかどうかの試験として私とテニスの試合して。」

「どうしてそうなるの?」

 呆れ顔の蒼に「いいから。お願い」と頼み込んで明日の試合に持ち込んだ。