次の日は観光していい自由な日だ。
 蒼と出掛けられると思うと浮き足立つ自分に苦笑する。

 好きだなぁ。蒼のこと。

 ペンションの前で昨日の透梧さんとすれ違った。
 彼は意味深な言葉を残して去っていった。

「また会うことになると思うよ。
 ナツカワの高坂くん。」

 固まって透梧さんの背中を見送る蒼に胸騒ぎがして繋いでいる手にギュッと力込めた。