気持ちを伝え合ってから前にも増して蒼は情熱的に肌を重ねる。

 それが……最近、困る。
 なんだか恥ずかしくて。

 こんなに一緒にいるのに一人でいる時でさえ、不意に切ない顔の蒼が勝手に頭に浮かんで赤面するはめになる。

 ここ最近、照れたりするようなことが減った憎たらしいほど余裕な蒼の唯一余裕の無くなった切ないような……あぁ、こんなこと思い出す自分は変態なのかもしれない。

 柚にまた突っ込まれちゃうわ。
 やっぱりそっち方面、開花したんですねって。

「どうしたの?
 なんか今日は上の空じゃない?
 最中に考え事とか自信なくすんだけど。」

「そ、そういうんじゃ……。」

 蒼といるのに現実と区別が付かないなんて……。

 ここはまだ専務の借りてくれたペンション。
 恋人同士だから同じ部屋で……なんてまだ夢見心地だから夢と現実がごちゃ混ぜになっていた。

 それに……蒼だって昼間のあの『透梧』と呼ばれていた人に会ってから変だ。