可愛らしい彼女は運動とは無縁なのか、それとも蒼に追いかけてきて欲しかったからなのか、難なく何個目かの角を曲がると追いつけた。

 肩で息をする彼女が私を睨む。

「何よ。講釈を垂れに来たの?」

 なんていうか、生意気だけど高校生らしくない絡みかた。
 こんなところで、あぁ蒼のいとこって感じ。と思った。

「蒼はあなたのこと大切に思ってるわ。」

「あなたに何が分かるの?
 海くんから蒼兄の女が…って聞いて来てみれば……。」

 海くん……は、蒼の友達なのかな。
 私はそれさえも知らない。

 何が分かるの?なんて……。

 何を言えばいいのか、ただ自分を見ているようで放っておけなかっただけの気がして、何も言えない。

 けれど心配していたのは嘘じゃない。
 デート中もメールは気にしてて、彼女の顔を見た時にホッとしてた。