「やっと見つけた!!!」

 可愛らしい声とその声に負けない可愛らしい女の子が駆け寄ってきて蒼の腕に絡みついた。

 そして蒼の反対側の手と手を繋いでいる私を睨みつけた。

 驚きでたじろいでいると彼女の方は睨んだまま冷たく言い放った。

「誰?この人。」

「双葉。口の利き方。」

 蒼は蒼で双葉と呼んだ子へ冷たい視線を向けてその子が絡みつく腕を不機嫌そうに振り払った。
 ムッと不満顔の彼女は鬼の形相で再び私を睨みつけた。

「何よ。おばさんじゃない。」

 言い方にカチンときて……けれど若そうなその子にしてみれば確かにおばさんかもしれないと思うと言い返せない。

 腕組みしてフンッとそっぽを向いた彼女に蒼が頭を小突いた。

「口の利き方を気をつけろ。」

 厳しい口調の蒼に「ごめん」と、形ばかりの謝罪をして私にだけ見えるように、ベーッと舌を出した。