デートと称して連れ出した蒼は本当にあまあまで、勘違いしそうになる。
 私のこと……って。

 でも………。
 一緒に街を歩いて気づかされる。

 蒼は本当にモテ男だったんだってこと。

 何人もの若い女の子が振り返っては熱いため息を漏らしたり、女の子同士でキャッキャッ言って「今の人、カッコイイ!!」なんて話す声まで聞こえる。

 隣を歩く優越感よりも申し訳なさの方が先に来る。
 それなのに蒼はそんなこと気にも止めずに私を真っ直ぐに見つめた。

 それだけで私の心臓はドキドキと速い鼓動になって落ち着かない。
 だからずっとドキドキしっぱなしだ。

 その上、いつも以上に甘い雰囲気を出して来るから………。
 どうしちゃったんだろう。

 本当に……私のこと?
 ………そんなわけないよね。

 今朝、見た封筒が頭に浮かんで頭を振った。