彼が買って来てくれたのは私では絶対に選ばないようなワンピース。

 紺一色で大人っぽいと思いきや、腰のリボンと揺れるふんわりしたスカートの感じに、切り込みの入った首元。
 全体的にエレガントな雰囲気を醸し出すワンピースに尻込みする。

「サイズはバッチリだと思うから着てみて。」

 ニコニコして着替えてくるのを待ち望んでいる蒼に着れないとは言えない。
 そもそも昨日の服は洗濯してしまったのだから、これを着れなきゃデートは家デートになってしまう。

「似合わなくても……笑わないでね?」

「大丈夫だよ。ほら。早く。」

 楽しそうな蒼に眉を寄せて脱衣所の方へ向かった。