「ねぇ。俺のこと蒼って呼んで?」

「ん?蒼?」

「正義のヒーローみたいでカッコイイでしょ?」

「あおレンジャーってこと?」

「うん。
 美希さんが困ってたら助けるから。」

「フフッ。それは素敵ね。」


 仲直りが出来たのかよく分からないまま。
 元通りの生活になった。

 でもそれは上辺だけの気がしていた。

 仕方ないのかもしれない。
 だって俺は所詮セフレだから。

 そんなちっぽけな関係に成り下がってしまったのは……自分のせいだ。

 あんなに求めていた美希さんの温もりを手に入れても心は虚しいだけだった。