「もしもし。花村だ。トラブルが発生した。
 すぐに社内にある粗品になりそうな小物を集めろ。
 社名が入っていた方がいい。
 バラバラでも価格が変わっても構わない30分以内に届けるんだ。」

 花村さんは仕事が出来る人だった。
 そこに惹かれたんだから。

 今回ばかりはこの人に助けられた。

「うちの会社が近くて良かったな。
 小僧にうつつを抜かす暇があったら、もっと真面目に仕事するんだな。」

「はい。すみません。
 本当にありがとうございます。」

「今度、何かご馳走してもらうよ。」

 ニヤリと笑う花村さんに二度と関わりたくないのに、断れない。

「はい。ぜひご一緒させてください。」