堪らず空いている方の手で自分の顔を覆って、そのまま顔を逸らした。
 けれどやっぱり見つめていたい気持ちに勝てなくてもう一度、盗み見る。

 視界に入るのは危うい姿。
 ずり落ちた時に捲れたのか、腰の綺麗なラインが露わになっている。

 ……んっとに勘弁してくれよ。

「あお……ば…くん。」

「………なに?」

「………………。ん。」

 寝言……。

 寝言で名前を呼ぶくらい俺のことを考えているんだと思うと静かに幸せを噛み締める。

 空いている腕を伸ばして布団を手元に引き寄せるとそれを美希さんにかけた。

 そして、眠れるわけがない体を騙すように自分も目を閉じた。